その傍で本を読むのは

読んだ本の感想とか、小学校での読み聞かせのこととか。
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「ぼくは悪党になりたい」 笹生陽子

内容(「BOOK」データベースより)
僕の名前は兎丸エイジ、17歳。父親は不在、奔放な母親と腕白な異父弟・ヒロトとの3人で平凡な生活を送ってる。毎日炊事、洗濯、ゴミ捨てと家事全般をこなす高校生が「平凡」かどうかは我ながら疑問なんだけど。ある日弟のヒロトが病気で倒れたのをきっかけに、僕の「平凡」な日常は少しずつ崩れてきて…。


*   *   *   *   *   *   *   *   *

さくさくっと読めるんだけれど、なんだか割り切れなさの残る物語だった・・・。
エイジの母親ユリコは『未婚の母』。
最後の最後に「愛する人の子どもしか産んでない」と言い切るけど、それで全部が許されるのか?と聞きたい。
少なくとも私は、この物語を読んで彼ら兎丸家の人間に家族愛を感じなかった。
感じたとしても、かなり微妙。
せめて「それでも」という感じで、それぞれの愛情を感じることができたらよかったのに。

日常的に母親不在なことが多い生活で、弟だって幼児じゃなくてもう小学3年生なのに、家事の全てがエイジにかかっている。
友達関係・女性関係、家族関係全部ぐちゃぐちゃなエイジ。
もちろんエイジ本人にだって問題はあるけれど、どうしても母親・ユリコに問題を感じてしまう。
自業自得な部分を差し引いても、エイジに同情するなぁ・・・・。

ヒロトももうちょっとしっかりしろよ、と言いたいけれど、やっぱりかわいそうだと思ったり。
不在がちの生活の中で、ちゃんと愛情を与えていたのかユリコ。
まだ子どもなんだぞ。
エイジにとってのヒロトも、「世話をする対象」としてしかみていない感じがした。
万引き騒動のあと、「兄弟愛は冷え込んだ」とあるが、最初から兄弟愛は読者には伝わっていない。
エイジがヒロトをひっぱたいてすごく気まずくなったけど、ひっぱたきたくなった気持ちはよく分かる。
まぁどっちもどっちだ。
とにかく家族関係が淡々としすぎ。
母親としては切ないよ、この物語は。

で、これってYA物なわけ?
どのへんの読者が対象の小説なんでしょうか。
ブックレビュー | permalink | comments(3) | trackbacks(1)

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この記事に対するコメント

私もこの本を読んで、家族愛は感じられませんでした。
「自分の好きなことをして生きる自由」って、こんなんじゃないよね。自由には責任が必ずついてまわるはず。
家族愛も感じられなかったし、何よりリアルを感じられなかったなぁ。

というか、絶対に、17歳が学校行きながら、一人できょうだいを育てるって不可能よね(苦笑。
ひろぽん | 2007/08/11 11:05 AM
>ひろぽんさま
そうでしょ?!
これ、なかなか評判のよい小説のようですが、他の人たちは
ユリコのことスルーしちゃってるのかな。
っていうか、親世代の私たちが読むから、そこに引っかかるだけで
若者(笑)的にはスルーなのか・・・・。

ヒロトがもう少ししっかりしていれば、もっと現実味はあったかも。
この状況なのに、しっかりしてなさすぎ。
生活できないでしょー、うんうん。
びー玉 | 2007/08/29 9:39 AM
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
藍色 | 2010/10/10 1:51 AM
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ぼくは悪党になりたい 笹生陽子 | 粋な提案 | 2010/10/10 1:38 AM