その傍で本を読むのは

読んだ本の感想とか、小学校での読み聞かせのこととか。
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Re−born はじまりの一歩

伊坂 幸太郎,瀬尾 まいこ,豊島 ミホ,中島 京子,平山 瑞穂,福田 栄一,宮下 奈都
実業之日本社
¥ 1,470
(2008-03-19)

JUGEMテーマ:読書
 
内容(「BOOK」データベースより)
迷い、揺れ、苦しみながら選びとった、これがわたしの生きる道―。時代を鮮やかに切り取りつづける7人の作家が描く、新たな出会いと出発の物語。オール書き下ろし&オリジナルの珠玉アンソロジー。



宮下奈都/「よろこびの歌」
有名なヴァイオリニストを母に持つ玲は、音大付属高校の受験に失敗し、望んでいなかった普通高校に進学する。
合唱コンクールで指揮することになった玲だが、クラスは全くまとまらず、何も残らなかった。
・・・と思ったが、後日行われたマラソン大会で最下位になった玲がグラウンドに入ると・・・・。

とことん後ろ向きな高校生活を送る玲に、どうしても苛立ちを覚えた。
けれど有名なヴァイオリニストである母からかつて言われた言葉などを考えれば、玲のようになってしまうのは仕方がないかもしれない。
才能がある人の言葉って残酷。
ラストは清々しい。
きっと玲も変わることができたのではないだろうか。


福田栄一/「あの日の二十メートル」
克彦はこの春に大学に入学したばかりだが、六月末の今はもうキャンパスへ顔を出すことすらない。
その代わりに毎日プールに通っている。
そのプールで知り合った老人から、泳ぎを教えて欲しいと頼まれる。
しかしその老人は実は心臓が悪かったのだ・・・・

最後、か老人の孫の女の子と克彦がいい雰囲気(?)になったところは余計だった気がする。
でも無理してでも泳げるようになって、長年胸につかえていた後悔がなくなった老人の話は、とてもよかった。


瀬尾まいこ/「ゴーストライター」
モテる兄貴へのラブレターの代筆を頼まれたコウスケ。
兄とは仲が悪い。
父の店、戸村飯店を一切手伝わず、兄は東京へ出て行く。小説家になると言う。
小学生の頃から兄は文才があり、中学生から友人たちの作文を引き受けてゴーストライターをしていた。

コウスケに代筆を頼んだ女子・岡野にイラついた。
ラブレターは自分で書けよ、と。
兄とコウスケは本当にずっと仲が悪かったようで、こういう家族や兄弟も、現実にいそうだ。
店を手伝わないで勝手をしている感じなのはなんだかな〜と思ったが、家族で一人だけ「何か違う」という疎外感が常にあったのだとしたら、仕方がなかったのかもしれない。
自分の生まれた場所に、自分が存在する場所に、合わないのは、どんな気持ちだろうか。
ラストは案外爽やか。
瀬尾さんがこういう話を書くとは思わなかった。

中島京子/「コワリョーフの鼻」
今から何百年か後、人類から鼻がとれる、という話を聞いた『私』。
『私』には、秘密があった。結婚する前に鼻の整形手術を受けていた。
だんだん鼻がずれてきて、痛くなってきた。もう限界は近い。しかしお金がいる。
ゴーゴリの<鼻>、芥川の<鼻>を折りまぜ、『私』と夫の探りあいは続く・・・・。

これが一番面白かったかも。
読みづらいと言えば読みづらいんだけど、ラストで思わず笑いが。
「ほら。言ってくれなきゃわからない。いくらかかるの?コワリョーフがぐらついたシリコンプロテーゼを取り出して、六ヶ月間鼻を休ませて、それからちゃんと入れなおすのに、いくらかかる?」
「取り出すのに十万円。入れなおすのに五十万円。でもコワリョーフには花屋のパートで貯めたけそくりがあるから、あと四十五万円あれば足りるの」
私は堪えきれなくなって泣き出した。
かわいい。素敵な夫婦じゃないですか。


平山瑞穂/「会ったことがない女」
あらすじを書くのに疲れてきた・・・・。感想だけ。
あまり好みの話ではなかった。どこかで見たことがあるような設定。
それにしても、唐津としてしまう悠里って・・・そんなに簡単にできるものなんですか。


豊島ミホ/「瞬間、金色」
これもちょっと読んでてつらい感じが。
ナナミとシンジュの友情の話。
けれど、二人は友だちにならなかった方が幸せだったかもしれない。
シンジュをいじめる井川って子も、高校に入ってまでまだ続ける?幼いなぁ。
大人になって落ち着いて、大事なものもできて、ナナミとシンジュは幸せを感じているようだけど、私は読んでいてこれでよかった、とはそんなに思えず。
髪を染め、いじめられ、遅刻や早退を繰り返し、普通に進学も就職も出来なかった子の気持ちは、私には分からないということなのかな。
豊島さんには分かるのだろうか。


伊坂幸太郎/「残り全部バケーション」
伊坂さんが苦手な私としては、楽しめた方だと思う。
親の離婚で解散することになった早坂家、最後だから秘密の暴露をしようと言い出した母。
かなりいい味出してる。
でもラストはなぁ。
岡田さんのことを考えると、さすがに「面白かった」で終われない。ブラック〜。
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