その傍で本を読むのは

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「悪人」 吉田修一

吉田 修一
朝日新聞社
¥ 1,890
(2007-04-06)

JUGEMテーマ:読書
 
内容紹介
なぜ、もっと早くに出会わなかったのだろう――携帯サイトで知り合った女性を殺害した一人の男。再び彼は別の女性と共に逃避行に及ぶ。二人は互いの姿に何を見たのか? 残された家族や友人たちの思い、そして、揺れ動く二人の純愛劇。一つの事件の背景にある、様々な関係者たちの感情を静謐な筆致で描いた渾身の傑作長編。

内容(「BOOK」データベースより)
保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。


私は「容疑者Xの献身」に特に感動したりしなかったし、純愛の物語とも思わなかったんだけど。
純愛っていったら、こっち「悪人」の方に強く感じた。

新聞連載だったそうで、なるほど、連載っぽい書き方だ。
いろんな登場人物に語らせているところ、人間の嫌な部分を上手に描いているところなど、宮部みゆきを思い出す。
でも途中までは、読むのをやめちゃおうかな、と何度か思った。
第一章は、読んでいて不愉快だったから。
殺されてしまった保険外交員の佳乃が、なんともいけ好かない女なのだ。
会社の同僚との、女同士の人間関係とか、もうなんか・・・・何が楽しんだろうっていう、見栄や嘘で固めたような友だちづきあい。
だから殺されてもいいわけじゃないけど、とにかくこの嫌な女にお付き合いしなくちゃいけなかった第一章はつらかった。
多分新聞連載で読んでいたら、ギブアップしたんじゃないかな。

悪人。
悪人とは誰なのだろう。
殺人を犯したことは罪だ。
けれど、本当の悪人は、彼以外の人物じゃないのだろうか。
人を殺した彼より、殺された女、その女性を峠に置いていった男、人間的には彼らの方が問題があるのではないだろうか。

最初はつかみ所がなく、ちょっと不気味に思えた犯人の彼だが、とことん不器用で人との接し方を知らなかっただけで、悪い人間ではなかったのではないのか。
けれど最後に、これだけ周囲の人のことを考えて行動した彼と、人との接し方が分からない不気味ですらあった彼が、本当に同じ人物だろうかと思わなくもない。
ストーリー的には感動的であったけれど、そこまでできる?あの彼に?と思うところもあるんだよなぁ。

スッキリとはしないけれど、切なさのあるいいラストだった。
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