その傍で本を読むのは

読んだ本の感想とか、小学校での読み聞かせのこととか。
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教科書でおぼえた名詩

JUGEMテーマ:読書

国語の教科書に載っていた詩、俳句、短歌、漢文を暗誦させられた記憶は誰にでもあるのではないだろうか。
昔の記憶は案外残るもので、今でも時折頭の中に浮かんできたりする。
そして一部分だけ思い出せなくてモヤモヤしたりもする。

私にとっての長年のモヤモヤは二つあって、
まず、

曼珠沙華咲く 野の日暮れは 何かなしに きつねが出ると思ふ大人の今も

何かなしに、の後がどうしても思い出せなかった。
これが木下利玄の短歌だったと分かったのはつい最近のこと。
木下利玄はよく教科書で取り上げられているようで、この本にも収められているが、残念ながら『曼珠沙華』は入っていなかった。

もう一つは、
黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る
という漢詩。

人西のかた 黄鶴楼を辞し
煙花三月揚州に下る
孤帆の遠影 碧空に尽き
唯だ見る 長江の天際に流るるを

唯だ見る 長江の○○に流るるを
・・・・何に流れるんだっけ?
と何度も考えつつ、この本でやっと分かりました。
天際(てんさい)だったのですねー。
長年のモヤモヤが晴れてすっきりしました。

内容(「BOOK」データベースより)
本書は、昭和二十年代から平成八年までに日本の学校でつかわれた中学・高校の国語の教科書・千五百冊あまりから、だれでも一度は耳にしたことのあるなつかしの詩歌をよりすぐった愛唱詩歌集です。俳句・短歌・漢詩をふくむ全122人・260作品。


収録作品が多い詩人は、高村光太郎、宮沢賢治、島崎藤村、萩原朔太郎、室生犀星、山村暮鳥、北原白秋、中原中也、三好達治など。
犀星、は変換できるのに、暮鳥は変換できないのがちょっと悲しい。
でも暮鳥の詩は、私の記憶にはなかった。

土井晩翠も載っている。
母校の校歌の作詞もしてるし、もちろん知っている。
授業でやった覚えはないような。。
最近の人のは、吉野弘くらいしかやっていないと思うんだけど、谷川俊太郎とか大岡信とか高田敏子なんかも教科書に載ってるのね。

俳句は普段ほとんど思い出さない。
けれど読んでみると、ああ、覚えがあるなぁ・・とは思う。
中村草田男や水原秋桜子、中村汀女、飯田蛇笏などなど。

短歌は俵万智まで収録されている。
時代を感じるなぁ。
近代の人のはあまり記憶になくて、やっぱり万葉集、古今和歌集、新古今あたりだけ、記憶にある。
このへんは中学高校でやったんだか、大学でやったんだか・・・大学のような。

漢詩はとにかくなつかしかった。
試験は苦手だったけど、音読するとリズムや響きが美しいと思う。
かの有名な『春眠暁を覚えず』って、さっきの孟浩然さんだったのか!と今気付くレベルですが。
杜甫の有名な『国破れて 山河在り』という『春望』は、その続きが美しい。
時に感じては 花にも涙をそそぎ
別れを恨んでは 鳥にも心を驚かす

『絶句』もまた美しい。
李白の『静夜の思ひ』は、私は『静夜思(せいやし)』と習ったなぁ。

そして最後は翻訳詩。
といえば上田敏と堀口大学くらいしか記憶にないけれど。
ブッセとヴェルレーヌ以外にも、ワーズワースとか、ロルカなんて教科書に載ってるんだと驚き。

思ったよりも大変楽しめた1冊。
手元においておきたい気もするけれど、それには装丁がちょっと・・・。
文春文庫plusから、ひまわりの装丁でも出ているようなので、自分で買うならそっちかな。
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「シンデレラ・ティース」 坂木司

JUGEMテーマ:ミステリ

続々と作品は出ているのに、長らく地元図書館には『青空の卵』しかなかったはずだけど、いつのまにやら入っていました、坂木作品。
『ひきこもり探偵』シリーズは、二人の関係の危うさが気になってしまったのだけれど、こちらはもっと楽しく読めた。

内容(「BOOK」データベースより)
サキは大学二年生。歯医者が大嫌いなのに、なぜかデンタルクリニックで受付アルバイトをすることになって…。個性豊かなクリニックのスタッフと、訪れる患者さんがそれぞれに抱えている、小さいけれど大切な秘密。都心のオフィス・ビルの一室で、サキの忘れられない夏がはじまる。

面白かったけれど気になってしまった点。
第二のカルテとか言って、雑談から患者情報を得て記入するんだけど・・・。
いくら治療のためとはいえ、情報入手を目的とした雑談って・・・なんだか嫌だ。
第二のカルテのために、一生懸命会話をしようとするサキちゃん、ちょっとねぇ。

多分、私はサキちゃんがあまり好きじゃない。
四谷さんの推理や、品川デンタルクリニックの描写とかは面白かったけど、主人公のサキちゃんをあまり好きになれなかった。
一夜漬けの知識をひけらかしたりとか。
ひけらかし、でしょ、あれは。
私だったら恥ずかしいな、たった一夜の素人が1冊専門書をかじっただけの知識。
歯医者によって治療方針とかもずいぶん違うし、本1冊で得た知識をあんなに嬉しそうに披露されても。

ただ、歯医者探偵(いや、技工士が探偵役なんだけど)というのは確かに面白かったです。
『ホテルジューシー』とリンクした話らしいので、そっちも読んでみたいです。
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「卵のふわふわ 」 宇江佐真理

JUGEMテーマ:時代小説

副題に「八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし」とあるように、おいしそうな食べ物が描かれる時代小説。

食い道楽で優しい舅、口は悪いが心根は暖かい姑、でも肝心の夫とは心の交流がない・・・・。
憧れの人と結婚したくて望んで嫁いできたけれど、のぶにはつらい生活だ。
いくら舅が優しくしてくれても、心は満たされない。
「でも、わたくしはお舅さんの所へ輿入れした訳ではありませんので・・・」

内容(「BOOK」データベースより)
のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ―。夫との心のすれ違いに悩むのぶをいつも扶けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅、忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。

「のぶちゃん、わし、腹が減ったよう」
とにかく舅の忠右衛門がいい。
憎めない口調。
その食い道楽をお世話する方は大変なんだろうけど、ほっこりして暖かな人柄にほっとする。
どうしてこの人から正一郎みたいな息子が生まれてきたのか、不思議。
物語中盤までは、正一郎の言動に私まで心が冷える心地がした。
後半、正一郎の気持ちの変化を感じて、もう一度やり直したらいいのに、と思うもなかなか二人はうまくいかない。
悲しく切ない出来事が、二人をもう一度結びつける・・・・。

タイトルにもなっている『卵のふわふわ』、一度食べてみたい。
鰹節のだしを使い、しょうゆ味の勝ったすまし汁に仕立てる。
小鍋にすまし汁の煮立たせ、砂糖をほんの少し入れた卵をよくかき混ぜ、
鍋の縁からいっきに落とし込んで蓋をする。
ゆっくり十数えて出来上がり。
椀によそい、あれば胡椒をかけて食べる。

ね、おいしそうでしょう?
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「破裂」 久坂部羊

JUGEMテーマ:ミステリ

久坂部作品は『廃用身』に続いて2作目。
間違った倫理に妙な説得力でぐいぐい押してくるのは、同じ路線か。
こちらの方が複雑になっている分、ぐいぐい来る説得力は落ちるけど、濃い。

このままいくと日本は超高齢化社会になる。
人口のピラミッドを作るためには、少子少老社会の実現が必要。
老人にはぽっくり死んでもらうに限る。
こんな論理で老人ポックリ計画、医療のシビリアンコントロールを推進する動きがあったとしたら・・・?

内容(「BOOK」データベースより)
医者の診断ミスで妻を傷つけられた元新聞記者の松野は、“医療過誤”をテーマにしたノンフィクション執筆を思いつく。大学病院の医局に勤務する若き麻酔科医・江崎の協力を得て、医師たちの過去の失敗“痛恨の症例”や被害患者の取材を開始した。その過程で、「父は手術の失敗で死んだのではないか」と疑念を抱く美貌の人妻・枝利子が、医学部のエリート助教授・香村を相手に裁判を起こす。が、病院内外の圧力により裁判は難航。その裏で医療を国で統制しようと目論む“厚生労働省のマキャベリ”佐久間が香村に接触を始める…。枝利子の裁判の行方は?権力に翻弄される江崎と松野の運命は?そして佐久間の企図する「プロジェクト天寿」とは?大学病院の実態を克明に描き、来る日本老人社会の究極の解決法まで提示する、医療ミステリーの傑作。

2004年出版のこの本を今読むと、どうしても『チーム・バチスタの栄光』とかぶる部分がある。
特に、厚生労働省のマキャベリ・佐久間。
『バチスタ』の白鳥はマキャベリじゃないかもしれないけど、厚労省の役人が医療ミスに絡んでくるというだけで、どうしてもかぶるよね。
でも『チーム・バチスタ』は2006年刊行なので、こっちが先なのだった。

医療裁判の後味がすごく悪くて、自分の身にもしもふりかかったら・・・と思うと恐怖を覚える。
関係者の誰か一人でも偽証すれば、原告は勝てない。
原告側に協力しようとすれば、職場でも居場所がなくなり、次に働く場所さえままならない。

佐久間の末路もぞっとする。
この後味の悪さは、小説としてありだと思うのだけれど・・・裁判のくだりだけは、なぁ。
私としては、気持ちよく終わってほしかったな。
よりリアルに描いたのかもしれないけれど。
久坂部 羊
幻冬舎
¥ 1,890
(2004-11)
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「失われた町」 三崎亜記

JUGEMテーマ:小説全般

意外。
読んでみての第一印象は意外。
『となり町戦争』が、設定は突飛なんだけど内容や書き方はあっさり、という印象だったのに、こちらはぎっしり。
冒頭、詳しい事情がよく分からないまま進む話は、少し恩田陸っぽい感じ。

町の消滅に深く関わる人物たち何人かで視点が変わるので、最初はちょっと混乱したけど、飲み込めてくると面白い。

内容(「BOOK」データベースより)
30年に一度起こる町の「消滅」。忽然と「失われる」住民たち。喪失を抱えて「日常」を生きる残された人々の悲しみ、そして願いとは。大切な誰かを失った者。帰るべき場所を失った者。「消滅」によって人生を狂わされた人々が、運命に導かれるように「失われた町」月ケ瀬に集う。消滅を食い止めることはできるのか?悲しみを乗り越えることはできるのか?時を超えた人と人のつながりを描く、最新長編900枚。

消滅管理局。
特別汚染対象者。
澪引き。身削ぐ。
居留地。南珠壁。
感情抑制。
分離。別体。

町が消滅する、そのことだけでもすごいインパクトなのに、出てくる出てくる特殊な設定が。
居留地とか、なくても話は進ませられたような気もするけれど。
もったいないくらい、詰め込まれて濃い内容に。
でも相変わらず筆致は淡々と。
私は「となり町戦争」よりこちらの方が面白く読めた。

好きな登場人物は信也。
「こら、のぞみ!お上品な言葉を使うな!父ちゃんと呼ぶのだ」
三崎 亜記
集英社
¥ 1,680
(2006-11)
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「鉄塔 武蔵野線」 銀林みのる

JUGEMテーマ:小説全般

ずいぶん以前から気になってチェックしていた本。
けれど実際図書館で手にとってみると、ちょっととっつきの悪い感じがして、なかなか読めなかった。
ついに挑戦することに。
内容(「BOOK」データベースより)
夏休みも半ばを過ぎたある日のこと。5年生の見晴は近所の鉄塔で番号札を見つける。その名は「武蔵野線75‐1」。新発見に胸を躍らせた見晴は、2歳下のアキラを誘い、武蔵野線を遡る。「オレたちは鉄塔を辿っていけば、絶対に秘密の原子力発電所まで行けるんだ」―未知の世界を探検する子供心のときめきを見事に描き出した新・冒険小説。第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

小学生二人の冒険、なわけだけど、二人で突っ走るわけではなく、どこまでも行きたい見晴とそこまでではないアキラ。
小さな衝突があったり、そのあたりがなかなかリアル。

ファンタジーノベル大賞ということを忘れるほどファンタジー色は弱く、ラストで急にんん?宮澤賢治か???みたいな展開に、私は若干ついていけなかった・・・。
まぁ考えてみればファンタジーノベル大賞なんだから、当たり前なんだけど。
あれは必要だったのかなぁという気持ちが。

私が読んだのは新潮社のハードカバーだったのだけれど、新潮文庫版、ソフトバンク文庫版と3種類あって、すべてわずかに内容や結末が違っているとのこと。
結末が違っているなんて、気になる・・・・。
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「パレード」 吉田修一

JUGEMテーマ:小説全般

奇妙な小説。
誰にも感情移入できない。
お互い不干渉な若者たちの共同生活?なんて思って読み勧めていくと、最後に衝撃の結末が。
私の好みからいくと、その結末に向けての伏線を、小出しに散りばめてほしかったのだけれど、ミステリじゃないんだから、仕方がないか。
読み返してみても、どうにも唐突に思える。
それにしても、この5人は、病んでいる。
出版社/著者からの内容紹介
5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。杉本良介21歳、H大学経済学部3年。大垣内琴美23歳、無職。小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。相馬未来24歳、イラストレーター兼雑貨屋店長。伊原直輝28歳、インディペンデントの映画配給会社勤務。5人の生活がオムニバスで綴られる。

良介、大学生。
普通の人っぽいけど、どこかピントがずれている。
洗濯機をくれた先輩の彼女を好きになり、どうも彼女の方もその気らしい。
そして結局関係を持ってしまうわけだけど、その次の朝、食卓でただ涙を流す良介。
その後も関係はずるずる続くが、彼女と先輩は別れない・・・。

琴ちゃん、無職。恋愛依存気味。絶世の美女。
日がな一日マンションにこもって、男からの電話を待っている。
その男とは、現在売り出し中の若手俳優で、短大時代に付き合っていた彼氏。
今付き合っているのかというと、かなり曖昧・・・そして妊娠してしまう。

未来。イラストレーター兼雑貨屋店長。
毎晩べろんべろんに酔っ払って帰ってくる。
映画のレイプシーンだけを繋ぎ合わせてダビングして、大事にしている。

サトル。夜のお仕事・男娼。
酔っ払った未来が連れて帰ってきた。
クスリをやっている。
見ず知らずの他人の部屋に侵入し、勝手にそこでカップラーメンを食べたりビデオを見たりしている。
かなり冷めて風に、残りの4人を観察しているが、一緒にいるのは不思議と楽しいらしい。

直輝。会社員。
好きなことを仕事にして、健康オタクで、皆から頼られている風。
一見まともだが、実は彼こそ・・・・。


面白かったけど、これが山本周五郎賞って、どういうところが評価されたのか、私にはやはりさっぱり分からない。
ありなんですか、こういうの。

良介で嫌だったのは、先輩からもらった洗濯機がベランダをガタガタ動き回るってとこ。
階下の住人からしたら、ものすごくうるさくて迷惑だ。
現在上の住人がどうも傾いた洗濯機を使っているらしく、毎日騒音に悩まされている私なので、反応してしまった。

琴ちゃんは、閉じこもりの電話待ち生活で、生活費は仕送りに頼っているところが嫌。
親も親だけど。
相手も相手だけど。

未来が一番つかみどころがなかったかな。
なぜそんなにもレイプシーンのビデオにこだわっているのかとか、詳しい説明はないんだよね。
それをいうなら、琴ちゃんが相手の男にこだわる理由とかも、全部よくわかんないんだけど。

未来のビデオのあたりで、病んでるなーと強く感じるようになり、続いてサトルだ。
もう犯罪だし、犯罪。
良介もストーカーチックだったけど、サトルの場合は好きな人、とかじゃないところがまた怖い。

犯罪と言えば、直輝。
これも全然説明がなくて、一体なんなんだ。
これはありなのか、という驚き。
残りの4人がなぜ気づいたのかもよく分からないし、それで放っておくのは、自分に害がないから?
でも結局直輝が襲うのは女性という、自分より弱そうな相手が標的で。
自分に関わらなければいいということ?
それぞれ、あのマンションでも自分を演じていればそれでいいの?
恐ろしい同居生活。
こわっ。
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「武士道セブンティーン」 誉田哲也


JUGEMテーマ:読書
うわーん、面白かった! でもこれ、シリーズ2作目だった!
 1作目、「武士道シックスティーン」を読まずに、これを読んでしまった〜。
でも充分楽しめました。
 いいなー、こういうスポーツ青春もの。
 爽やかで、一途で、武道って憧れる。

誉田哲也のイメージが変わりました!

出版社 / 著者からの内容紹介 早苗は成績重視・結果主義の剣道強豪高へ、香織は個人主義から部に忠義を尽くし始める。ふたりの武士道の時代(研究中)が幕を開けた?。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、正面打ち二本目。

早苗がレナの剣道に感じた「違う」という気持ちは間違っていないと思う。
 結局は転校せずに頑張ることにしたその選択には拍手を贈りたいが、そのあたりとはどうやって折り合いをつけていくのだろう。

私は「シックスティーン」を読んでいないけれど、もし読んでいたら、香織と早苗がこうやって別の道を歩き始めることをどう感じたかな。
 やっぱり淋しく思っただろうか。
・・・思ったに違いない。

その道の名は、武士道。
わたしたちが選んだ道。
わたしたちが進むべき道。
果てなく続く、真っ直ぐな道。
そしてまたいつか、共に歩むべき道。

今まで読んだ誉田哲也
 「ジウ」
 「ジウ2」
 「ジウ3」
 「ストロベリーナイト」

一番すきなのは「武士道セブンティーン」
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「Q.O.L.」 小路幸也

小路 幸也
集英社
¥ 1,890
(2004-08)
JUGEMテーマ:読書

「Q.O.L.」とは、QUALITY OF LOVEのこと。
一見理想的な同居をしていた龍哉・光平・くるみの三人。
しかしそれぞれに、語っていない過去があった。

出版社/著者からの内容紹介
青春の痛みと再生を描くロード・ノベル。殺し屋だったという父の遺言で、拳銃を昔の相棒に届けることになった龍哉。同行を申し出た同居人の光平とくるみには、その拳銃を使って「やりたいこと」があった。書き下ろし青春ロード・ノベル。


読みやすいが、それぞれの過去はかなり重い。
青春の痛みと再生、という内容紹介ねぇ。
再生はまさにその通りだと思うけど、青春の痛みはどうかなぁ。
くるみの過去は、決して青春の痛みなんてものじゃないと思う。
龍哉と光平のはそう受け取れなくもないけど。
そして「青春ロード・ノベル」って・・・なんにでも「青春」ってつけなくてもいいよ。
くるみと光平はれっきとした勤め人だし、私のイメージでは「青春」って感じじゃない。

救いのないような過去だけれど、最後には再生が描かれていて、読後感はいい。
よかった。

今まで読んだ小路幸也
「ホームタウン」
「カレンダーボーイ」
「東京公園」
「TwentyOne」
「空を見上げる古い歌を口ずさむ」
「高く遠い空へ歌ううた」

一番好きなのは「カレンダーボーイ」
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「魔法の庭 」 イタロ・カルヴィーノ

イタロ・カルヴィーノ
筑摩書房
¥ 756
(2007-08)
JUGEMテーマ:小説全般

最近の私は積極的かも。
今までなかなか手が出なかったジャンルに挑戦中。
「日常&読んだ本log」のつなさんに影響されて挑戦しました。

蟹だらけの船。魚とりの少年。羊飼いと狩人。猫と警官。菓子泥棒。パルチザンと少女。動物たちの森。
地中海からアルプスにつらなる自然を背景に描かれた、ユーモラスで寓話的な、そしてみずみずしく爽やかな、11の珠玉の短編。


「蟹だらけの船」
地中海のキラキラした海が目に浮かぶ。
ごく短い話なのに、張り切るけど空回りのチチン、ちょっととろいメニン、子どもたちが鮮やかに描かれている。

「魔法の庭」
更に短い一編。
線路の上から山側の生垣の向こうに逃げ出したジョヴァンニーノとセレネッラ。
どこかの庭の一画に出る。
なにもかもが素敵な庭。音一つしない。
ただ不安だけがたちこめる。
碧いタイル張りのプールに飛び込んだり、卓球台で遊んだり。
でも思ったほど楽しくない。
丸テーブルには紅茶やケーキが並べられる。
二人には、お菓子の味もミルク紅茶の味も分からなかった。
その不安感が強く伝わってくる。
美しく静寂に包まれた庭。
一番印象に残った話。

ところどころに面白い部分はあるけれど、苦味の残る話たち。
結末は、素直に受け取ってもよいのか・・・でもブラックに考えてしまったり。
「大きな魚、小さな魚」だけは、素直におかしかった。
「菓子泥棒」も非常におかしい話なんだけど、私はこういう話をそのまま楽しめない。
じりじりしてしまう。

不思議な世界に迷い込んでしまった印象の本。
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